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る。両方の結果を合わせると、厳しい環境下での溶接持続時間は平均的に10分程度が限界であり、一方、比較的溶接が容易なところでも、最長1時間程度が連続的に溶接が可能な限界と考えられる。
作業者が感じた作業空間の広さと実測した作業スペースとの対比を行った。実測データは作業者の前後左右の空きスペース、天井高さなどであったが、これら単独のデータと作業者が感ずる空間の広さとの間に関係は認められなかった。このことから、個々の値は広さという感覚には直接的には関係ないものと思われる。つぎに、これらのデータの組合せ(面積、体積)との関係を調べたところ、体積について比較的明確な相関が現れた。この結果によると、作業者は5m3程度を境として、広く感じたり狭く感じたりしているようである。
2.4.3.4 溶接の種類、脚長の差による溶接時間
溶接作業においては、使用する溶接方法や溶接姿勢、溶接脚長が作業効率に影響する。この度合いを確認するため調査(2)を行った。調査はいくつかの造船所において別々に実施されたが、調査結果に各社間の大きな差は見られなかった。図2.4.1〜図2.4.4は、調査の結果を基にして、溶接方法(手、CO2半自動)と溶接種類(隅肉、突合せ)毎に、脚長、

 

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図2.4.1 溶接作業時間に及ぼす脚長、溶接姿勢の影響(脚長 8mm のCO2 下向き溶接を単位長さ行う時間を1としたのきの作業時間の比)

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図2.4.2 溶接作業時間に及ぼす脚長、溶接姿勢の影響(脚長 8mm の CO2 下向き溶接を単位長さ行う時間を1としたときの作業時間の比)

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図 2.4.3 溶接作業時間に及ぼす板厚、溶接姿勢の影響(脚長 8mm の CO2 下向き溶接を単位長さ行う時間を1としたときの作業時間の比)

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図 2.4.4 溶接作業時間に及ぼす板厚、溶接姿勢の影響(脚長 8mm の CO2 下向き溶接を単位長さ行う時間を1としたときの作業時間の比)

 

 

 

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